
「イーサリアムにもビットコインのような半減期があるの?」
ビットコインに興味を持つと、必ず耳にするのが「半減期」というキーワードです。
しかし、すべての暗号資産(仮想通貨)に半減期があるわけではありません。
では、時価総額第2位の暗号資産であるイーサリアム(ETH)にも、同じような半減期は存在するのでしょうか。
結論、イーサリアムにはビットコインのような半減期がありません。
この記事では
「なぜビットコインのように半減期が設けられてないのか?」
「半減期がないと価値が薄まるんじゃないのか?」
こういった、疑問について追及しながら解説を行っていきます。
【はじめに】ビットコインの半減期とは?

まず「半減期」というものについて詳しく教えてください。
半減期とはマイニングの報酬額が半分になる時期のことを指します。初心者の人は「価格が半分になるの?」と勘違いしがちなので注意してください。
半減期が来るとどうなる?
・新規に発行されているビットコインの量が抑えられ、コインの希少性が上がる
・結果、長期的に見た価格上昇にエンジンがかかるきっかけになる
法定通貨は中央銀行により発行量の調整が可能です。
しかし、ビットコインには管理者がいないため「半減期」がその役割を担います。
マイナー(採掘者)と呼ばれる人々が、コンピューターで複雑な計算を行い、取引を承認することでブロックを生成しています。その報酬として、「新しいビットコインが発行される」というわけです。
この「マイニング報酬」は、約21万ブロック(およそ4年)ごとに半分になるようにプログラムされています。
この半分になるタイミングが「半減期」です。
ビットコイン半減期は以下のサイクルで訪れています ↓ ↓
| 2009年(誕生時) | 50BTC/ブロック |
| 2012年(第1回) | 25BTC/ブロック |
| 2016年(第2回) | 12.5BTC/ブロック |
| 2020年(第3回) | 6.25BTC/ブロック |
| 2024年(第4回) | 3.125BTC/ブロック |
上記のように発行量を段階的に減らすことで、ビットコインの総発行上限である2,100万BTCに向けて、緩やかに収束していく設計になっています。
希少性を人工的に担保するための仕組みとも言えますよね!
イーサリアムに半減期が存在しない理由

イーサリアムにはなぜ半減期を設けていないのでしょうか?
イーサリアムにはビットコインのような半減期がありませんが、これは二つで「根本の思想が異なる」からです。
理由①│イーサリアムは発行上限を設けていない
ビットコインが2,100万BTCという厳格な上限を設けているのに対し、イーサリアムには総発行上限がありません。
これはビットコインの設計と根本的に異なる点ですね。
イーサリアムの創設者ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)は、「イーサリアムはプラットフォームである」という思想のもと、固定上限を設けないことを選択しました。
ビットコインが「デジタルゴールド=価値の保存手段」として設計されたのに対し、イーサリアムは「分散型アプリケーション(DApps)を動かすための基盤」として設計されたためです。
発行上限がないということは、「半減期のようなカウントダウン式の設計自体が不要」ということになります。
理由②│PoW→PoSに移行した
PoSへ移行したことにより、新規で発行されるETHの量が劇的に減少しました。
PoW(プルーフオブウォーク)
コンピュータに膨大な計算競争を行い最初に正解を見つけた人が新しいブロックを生成しマイニング報酬を得ることができる
PoS(プルーフオブステーク)
その暗号資産をどれだけ多く長く保有しているかによって、次のブロックを検証をする人(バリデーター)が選ばれる仕組み
代表的通貨:イーサリアム、ソラナ、カルダノ 等
イーサリアムの発行量は固定スケジュールではなく、ネットワークの利用状況によってリアルタイムに変動しています。
2021年8月の「EIP-1559(ロンドンアップグレード)」以降、イーサリアムでは手数料の一部がバーン(焼却=永久消滅)される仕組みが導入されました。
逆に、ネットワークが静かな時期は供給量が増加がゆるやかになります。
この仕組みは、ビットコインの「あらかじめ決まった半減スケジュール」とは根本的に異なるものですね。
アップデートにより、PoW時代の課題も大幅に改善されました!
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理由③発行量が「ネットワークの状態」によって変わる
これは金と銀の違いに例えると分かりやすいです。
ゴールドは世界共通の資産とされますが、反対にシルバーは希少性だけでなく自動車、電子機器、EV、太陽光パネルなどの社会インフラや工業で消費され、景気でも左右されます。
「保有する資産」要素が強いビットコインに対して、「利用される資産」要素はイーサリアムの方が強いです。
これが金と銀にも言えることで、考え方が似ていることから「金と銀両方を持つ」と同じ感覚で、「ビットコインとイーサリアム両方を持つ」人も暗号資産投資家の中には多いです。
「半減期がない=悪いこと」は間違い
半減期がないとどんどん総量が増えてしまってインフレになりませんか?
その心配をする方は投資家は多いですが、増える一方ということは全くありません!
イーサリアムにはインフレの歯止めとなるシステムが内蔵されています。
そのシステムが「バーン」というものです。
ビットコインが「発行量の上限」で希少性を担保しているのに対し、イーサリアムは「需要に応じたバーン」で希少性を生み出す設計です。
2022年のアップデート(マージ)以降、イーサリアムの年間発行量は大幅に減少しました。
PoWの時には年間で約500万ETHが発行されていたのが、PoS移行後は約60万〜100万ETH程度まで減少しています(時期やネットワーク状況による)。
半減期がないと価値は上がらないのか?
価格の上昇要因は半減期だけではないので、上がらないということはありません。
イーサリアムはDeFi(分散型金融)、NFT、Web3アプリの基盤として利用されており、ネットワークの需要が高まればバーンされる量も増え、供給が引き締まります。
2021年のNFTブームの時期には、ETHのバーン量が非常に多くなった時もありました。
だから当時イーサリアムの価格が急上昇したんですね!
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ただし半減期がないことにより予測性に欠ける
ビットコインの半減期はスケジュールが決まっているので、投資家にとってそのスケジュールは大きなものさしとなります。
しかしイーサリアムの場合、供給量がネットワークの状況に依存するため、「次にどんなイベントが起きるか?」を正確に予測することができない面があります。
ビットコインの半減期はイーサリアムに影響するのか

一言でまとめると、イーサリアム自体に半減期がなくても「ビットコインの半減期」が暗号資産市場全体のムードに影響を与えることがかなり多いです。
これはビットコインの価格動向が他の通貨(アルトコイン)にも波及しやすい傾向があるためです。
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イーサリアムに半減期がない代わりに注目すべき指標

ビットコインを追いかける投資家は半減期の日程をカレンダーに入れて注目します。
しかしイーサリアムには「日程の決まったイベント」が存在しません。
その代わりに、次のような指標を見ておくと、イーサリアムの供給動向を把握しやすくなります。
MEMO
イーサリアムで見るべき指標とは?
- ステーキング率:ネットワーク全体でロックされているETHの割合。高くなるほど新規発行量も増加する傾向にある
- バーン量:取引が活発な時期ほど焼却されるETHが増え、流通量の減少につながりやすい
- 純発行量(新規発行量 - バーン量):これがマイナスになると、流通しているETHの総量そのものが減少する「ネットデフレ」の状態になる
- 大型アップグレードの予定:発行ルールや手数料の仕組みが見直されるタイミングは、供給の変化に直結
半減期のような単一のイベントを追うのではなく、こうした複数の指標を組み合わせて見ることが、イーサリアムの供給を理解する上でのポイントになります。
まとめ│イーサリアムに半減期はないけど希少性はある

ビットコインの半減期は、約4年ごとにブロック報酬を半分にすることで発行量を段階的に減らし、希少性を担保する仕組みです。
暗号資産投資を始めたての頃は「ビットコインの常識がそのまま他にも当てはまる」と思い込んでしまいがちです。
しかし、より正確な判断や投資判断ができるようには、それぞれの設計思考や技術的な仕組みをきちんと理解することが必ず必要です。
この記事で解説した内容を整理すると、以下のようになります。
バーン機能により、ネットワークが活発なほどETHが消費(焼却)されるため、インフレに対する自然な歯止めが働きます。
ビットコインとイーサリアムは設計思想が根本的に異なるため、どちらが良い・悪いではなく、「役割が違う」と理解することが大事です。
イーサリアムをもっと深く学びたい方は、「PoSの仕組み」「ガス代(EIP-1559)の仕組み」「DeFiとは何か」なども合わせて調べてみると、理解がグッと深まるはずです。
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免責事項
本記事は情報提供を目的としており、特定の投資行動を推奨するものではありません。暗号資産への投資には元本毀損を含む様々なリスクが伴います。投資判断はご自身の責任において行い、必要に応じて専門家にご相談ください。